生後2か月の子猫と、15歳を過ぎた猫。
同じ猫でも、使いやすいトイレの条件はまるで違います。
子猫はまたげる縁の低さ、シニアは段差のなさ、2匹以上なら数と置き場所、留守がちな家なら1日分の汚れを受け止める大きさ。
トイレは一度買えば終わりではなく、猫の年齢や暮らしが変わったときに、大きさ・縁の高さ・数・置き場所を合わせ直す物です。
大きさや縁の高さは製品ごとに違うので、買う前には商品ページで外寸・内寸・入口の高さを見てください。
場面ごとに、変える所が違う
4つの場面で、とくに見直したい所を並べます。
| 場面 | 大きさ | 縁・入口 | 数と場所 |
|---|---|---|---|
| 子猫 | 小さめ | 低い | 過ごす部屋 |
| シニア | ゆったり | ごく低い | 寝床の近く |
| 多頭 | 大きめ | ふつう | 頭数+1 |
| 留守がち | 大きめ | ふつう | 1つ増やす |
表の「頭数+1」「1つ増やす」は、よく挙げられる目安で、家の広さや猫どうしの相性で変わります。
大きさの基準は、しっぽを除いた体の長さの1.5倍ほどを目安にすると選びやすくなります。
場面が2つ重なる家(シニアの猫と若い猫が一緒にいる、など)では、それぞれの猫に合うトイレを1つずつ置くと考えると決めやすくなります。
子猫を迎えたとき
入口の低さを、大きさより先に見る
子猫は体が小さく、足も短いので、縁をまたげるかどうかがいちばんの分かれ目です。
大人の猫用のトイレは縁が高く、子猫には乗り越えられないことがあります。
迎えたばかりの時期は、入口が低い小さめのトイレか、浅い容器から始めると、自分で出入りしやすくなります。
子猫はすぐに大きくなるので、最初のトイレは成長したら替える前提で選んでかまいません。
はじめから大きいトイレを使いたいときは、入口の部分だけ低くなっている作りの物を選びます。
砂は、迎える前にいた場所で使っていた物と同じ素材にすると、慣れたにおいと足ざわりが手がかりになり、トイレを覚えるまでが早くなりやすくなります。

置き場所は、子猫が過ごす部屋の中に
子猫は、遊んでいる途中や目が覚めた直後に、急にトイレに行きたくなります。
家が広いと、トイレまでたどり着く前に間に合わないことがあります。
子猫が過ごす部屋の中、寝床から近い所にトイレを置くと、失敗が起きにくくなります。
家の中を自由に動けるようになったら、少しずつ本来置きたい場所に近づけていきます。
トイレを覚えるまでの間は、ごはんのあとや目が覚めたあとに、そわそわと床のにおいをかぐような様子が出やすくなります。
そうした様子のときにトイレのそばへそっと連れて行くと、ここがトイレだと結びつきやすくなります。
うまくできなかったときに叱ると、トイレそのものを嫌がるようになることがあるので、失敗は黙って片づけるほうが近道です。
猫砂を何度も口に入れてしまう子猫は、砂を替える前に動物病院に相談してください。
吐く・元気がない・便が出ないといった様子があるときは、特に急ぎます。
シニア猫になったとき
縁の低さと、段差のなさ
年をとると、関節の動きが固くなったり、筋力が落ちたりして、高い縁をまたぐのがつらくなることがあります。
トイレの縁で足を止めてしまう、縁の手前でしてしまう、といった様子は、トイレが体に合わなくなってきたサインの一つです。
シニアの猫には、入口の段差がほとんどない、縁の低いトイレが向いています。
中はゆったりした広さがあると、体の向きを変えるときに踏ん張らずにすみます。
フード付きや上から入るトイレは、かがむ・跳ぶ動きが必要になるので、シニアには使いにくいことがあります。
砂の感触も見直しどころです。
大粒で硬い砂やペレットは、足の裏が敏感になった猫には踏みにくいことがあり、粒の細かいやわらかめの砂に替えると入りやすくなる猫もいます。
砂を替えるときは、今の砂に少しずつ混ぜて慣らしていきます。
今のトイレの縁を低くしたいときに、入口の前に低い踏み台やスロープを置く方法もありますが、ぐらつく物はかえって危ないので、しっかり固定できる物に限ります。

寝床から近く、滑らない所に
シニアになると、トイレに行く回数が増えることもあります。
寝床からトイレまでの距離が長い、階段を上り下りしないと行けない、といった家では、寝床の近くにもう1つ置くと行きやすくなります。
フローリングの上は足が滑りやすいので、トイレの前に滑りにくいマットを敷いておくと安心です。
急にトイレの失敗が増えた、トイレに行く回数やおしっこの量が目に見えて変わった、何度も行くのに出ていない、といった様子があるときは、トイレを替える前に動物病院に相談してください。
年齢のせいと決めつけず、体の様子を見てもらうことが先です。
2匹以上で暮らすとき
数の目安は「頭数+1」
多頭の家でよく挙げられるのが、トイレの数は頭数より1つ多くという目安です。
2匹なら3つ、3匹なら4つ、という考え方です。
ただ、部屋の広さによっては、そこまで置けないこともあります。
数をそろえられないときは、大きめのトイレにして、片づけの回数を増やすことで、汚れたトイレを使わせる時間を短くできます。
この目安は決まりではないので、粗相がなく、どの猫も落ち着いて使えているなら、今の数で足りていると考えてかまいません。
数が増えると、砂の減り方とゴミの量も増えます。
大袋でまとめて買う、ふた付きのストッカーを大きめにする、といった買い方と保管の見直しも、トイレを増やすときに一緒に考えておくと慌てずにすみます。
1か所にまとめず、離して置く
数を増やしても、全部を同じ場所に並べると、実質的には1か所のトイレと変わらなくなります。
1匹がトイレの前にいると、ほかの猫が近づきにくくなるからです。
別の部屋や、部屋の反対側など、離れた場所に置くと、猫どうしが顔を合わせずに使えます。

猫どうしの仲がよくない家では、出入口が1つしかないフード付きより、周りが見渡せるオープン型のほうが落ち着いて使えることもあります。
留守がちな家
大きさと数で、汚れを受け止める
仕事などで家を空ける時間が長いと、その間はトイレを片づけられません。
帰るまでの間に何回か使ってもきれいな場所が残るよう、大きめのトイレにするか、数を1つ増やすと、猫が汚れた砂を避けて別の場所でするのを防ぎやすくなります。
システムトイレは、おしっこが下の段のシートに落ちる作りなので、砂の上に塊が残りにくく、長い時間の留守の間も砂の表面がきれいに保たれやすい形です。
砂の量と、季節の温度を見ておく
出かける前には、砂が袋の目安の深さまで入っているかに目を配ります。
砂が少ないと、何回か使ううちに底が出て、猫が嫌がることがあります。
夏や冬は、トイレを置いた部屋が締め切って暑くなる、冷え込むことがあります。
留守の間もトイレのある場所に猫が行き来できるよう、ドアの開け閉めにも気を配っておくと安心です。
帰ってきたら、着替えより先にトイレを片づけると決めておくと、汚れた砂が残る時間を短くできます。
朝出かける前と、帰ってすぐの1日2回を片づけの基本にすると、留守の長い家でもきれいな状態を保ちやすくなります。
何日も家を空けるときは、トイレだけで対応しようとせず、家族や知人、ペットシッターなどに様子を見てもらうことも合わせて考えます。
どのくらいの日数なら大丈夫かは、猫の年齢や体調によって違うので、不安があるときはかかりつけの動物病院に相談してください。
場面が重なる家でよく出る疑問
- 子猫用の小さいトイレは、いつ大きいトイレに替えればよいですか?
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決まった時期はありません。
体が縁より大きくなって、中で向きを変えにくそうにしている、お尻がはみ出して縁の外にかかる、といった様子が出てきたら、替えどきと考えます。
替えるときは、しばらく古いトイレも残して、新しいほうにも慣れてもらうと失敗が起きにくくなります。
- 2匹で、大きいトイレを1つ共有するだけではだめですか?
-
共有で問題なく使えている家もあります。
ただ、片方の猫が使ったあとすぐにもう片方が使えないと、別の場所でしてしまうことがあるので、粗相が出たら数を増やすことを先に考えます。
- シニア猫と若い猫が一緒にいる場合、トイレはどちらに合わせればよいですか?
-
縁の低いトイレは若い猫も使えるので、1つはシニアに合わせた物にしておくと、どちらの猫も困りません。
飛び散りが気になる場合は、若い猫がよく使う場所にだけ、縁の高いトイレを置く方法もあります。
トイレ以外の場所でするようになったときの見直し方は、「猫がトイレ以外で粗相するときの見直し順、砂・容器・置き場所・数を確かめる分岐」の記事で順番に並べています。
猫を迎えたとき、年をとったとき、2匹目が来たとき、仕事が忙しくなったとき。
そのたびに今のトイレの前に立って、大きさと縁の高さが体に合っているか、数は足りているか、行きやすい場所にあるかの3つを見てみてください。
合わなくなっていれば、それがトイレを替えるタイミングです。




