トイレの横の床、ベッドの上、玄関マット。
猫がトイレ以外の場所でおしっこやうんちをしたときは、どこでしたかが、用品のどこから見直すかの大きな手がかりになります。
ただ、その前に1つだけ、先に見てほしいことがあります。
トイレに何度も行くのにおしっこが出ない、少しずつ何度もする、おしっこに血が混じる、鳴きながらする。
元気や食欲がない、吐いている。
こうした様子があるときは、用品を見直す前に、すぐ動物病院に連絡してください。
特に男の子の猫で「トイレに何度も入るのに出ていない」ときは、急いで受診が必要な場合があります。
トイレの失敗に見えて、実はおしっこが出にくくてトイレ以外の場所を転々としていることもあるからです。
体の様子に変わりがなく、元気も食欲もふだんどおりなら、ここから先の分岐で砂・容器・置き場所・数を順に見ていきます。
用品の見直しで必ず直るわけではありませんが、変えられるところから1つずつ試すと、何が合わなかったのかが見えやすくなります。

粗相した場所から、見直す先を分ける
まず、した場所で大まかに分けます。
| した場所 | まず見る用品 | 次に見る点 |
|---|---|---|
| トイレのすぐ外・縁 | 容器の大きさ | 汚れ・砂の量 |
| 布団・ソファ・布類 | 砂の感触 | 置き場所 |
| 玄関・窓・壁際 | 置き場所 | 最近の変化 |
| 場所がばらばら | トイレの数 | 体のサイン |
表は入口にすぎません。
以下で、それぞれの場所でよく見られる理由と、試しやすい見直しを並べます。
トイレのすぐ外や縁でしている
トイレのすぐ横や、縁にかかるようにしている場合は、トイレに入ろうとはしていると考えられます。
まず見たいのは、容器が体に対して小さすぎないかです。
中で体の向きを変えられないと、お尻がはみ出して外にかかってしまいます。
トイレの大きさは、しっぽを除いた体の長さの1.5倍ほどが、よく言われる目安です。
年をとって足腰が弱ってきた猫の場合は、縁が高くて足を上げにくいために、縁の手前でしてしまうこともあります。
そのときは、大きさよりも入口の段差が低いトイレを先に考えます。
もう1つは、中が汚れていないかです。
固まった砂が残っていると、きれいな場所を探して縁や外ですることがあります。
砂が少なすぎて、かいても底が見える状態も、嫌がられる原因になりやすい点です。
おしっこはトイレで、うんちだけ外でしている
おしっこはトイレでするのに、うんちだけトイレの近くの床でする、という場合もあります。
猫の中には、おしっこをした場所とは別の場所でうんちをしたがる猫がいると言われます。
トイレが1つしかなく、おしっこの塊が残っている状態だと、うんちをする場所がないと感じることがあります。
トイレの数を1つ増やすか、片づけの回数を増やして、いつもきれいな場所を残しておくのが、試しやすい見直しです。
うんちが硬い、出すときに痛そうにしている、何日も出ていないといった様子があれば、用品より先に動物病院に相談してください。
布団・ソファ・洗濯物など、やわらかい布の上でしている
布団やソファ、床に置いた洗濯物の上でする場合は、やわらかく、においを吸う場所が選ばれています。
今の砂の感触が足に合っていない可能性があるので、砂の素材や粒の大きさを見直す候補にします。
最近、砂の銘柄や素材を替えていないかも思い出してみてください。
置き場所が寒い、遠い、暗いといった理由で、近くて居心地のよい布の上を選んでいることもあります。
布団の上が続くときは、見直しの間だけ寝室のドアを閉めるなど、同じ場所でくり返さない工夫も合わせて考えます。
ドアを閉められない間取りなら、防水のシーツやカバーをかけておくと、布団の中までしみこむのを防げます。
玄関・窓のそば・壁際でしている
玄関や窓のそば、壁際でする場合は、外の様子や、家の中の変化が関わっていることがあります。
外を通るほかの猫が見える、来客や工事の音がする、模様替えで家具の配置が変わった、といった変化です。
壁に向かって立ったまま、おしっこを吹きかけるようにする場合は、ふつうの排せつとは別の行動として扱われることが多く、用品の見直しだけでは変わりにくいこともあります。
そうした様子が続くときは、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
窓から外の猫が見えることが気になっていそうなら、窓の下のほうに目隠しのシートを貼る、カーテンを引いておくといった方法で、見える範囲を減らすこともできます。
玄関のそばにトイレを置いている家では、人の出入りや来客の気配で落ち着かないこともあるので、置き場所の見直しの候補にもなります。
場所がばらばらで、決まっていない
する場所が毎回違う場合は、トイレの数が足りていないか、体のどこかに理由があることを考えます。
2匹以上いる家で1つのトイレを共有していると、先に使われて汚れていることが増えます。
場所がばらばらで回数も多いときは、冒頭の体のサインに当てはまらないか、もう一度見てください。
最近、何か変わっていないか
粗相が始まった時期の前後に、変わったことがないかを振り返ります。
思い当たるものがあれば、それが見直しの最初の候補です。
砂の銘柄や素材を替えた、または同じ銘柄でも新しい袋に替えた
トイレの容器を新しくした、洗ったときに洗剤のにおいが残っていそうだ
トイレの置き場所を動かした、近くに物を置いた
引っ越し、模様替え、家族や同居の動物が増えた・減った
季節が変わり、トイレのある場所が寒く(暑く)なった
季節の変化は見落としやすいところです。
冬に北側の廊下や脱衣所のトイレが冷え込むと、暖かい部屋の布の上を選ぶようになることがあります。
夏は反対に、締め切った狭い場所のトイレが暑くなり、入るのを嫌がることもあります。
当てはまるものが複数あるときは、一度にすべてを元に戻すより、1つずつ戻すほうが、どれが合わなかったのかが分かります。
見直す順番は、砂から数へ
思い当たる変化がない場合や、どこから手をつけるか迷う場合は、次の順で進めます。
費用がかからず、すぐ試せるものから並べています。

砂を替えたあとに始まったなら、まず元の砂に戻します。
替えていない場合は、砂の量を袋の目安どおりに整え、固まった砂が残らないよう片づけの回数を増やします。
体の長さに対して小さい場合は、一回り大きいトイレを候補にします。
長く使ったプラスチックの容器は、表面の細かい傷ににおいが残りやすいので、買い替えを考える時期かもしれません。
静かで人の通りが少なく、ごはんや水の場所から離れた所が基本です。
洗濯機の横や玄関のそばなど、音や人の出入りが多い場所なら、移す先を考えます。
2匹以上いる家では、頭数より1つ多い数が一つの目安としてよく挙げられます。
1匹でも、家が広い、階が分かれている場合は、もう1つ置くと使う場所を選びやすくなります。
置き場所を移すときは、今の場所から少しずつずらすか、今の場所に残したまま新しい場所にもう1つ置くと、猫が迷いにくくなります。
2つ目のトイレを置くときは、1つ目のすぐ隣より、別の部屋や別の階のほうが、使い分けてもらいやすくなります。

何を変えたか、短くメモしておく
見直しは、何日かに分けて進めることになります。
あとで振り返れるように、簡単なメモを残しておくと役に立ちます。
メモがあると、どの見直しのあとで粗相が減ったかが分かります。
動物病院に相談するときにも、いつから、どこで、どのくらいの回数かをそのまま伝えられるので、話が早く進みます。
見直しの間に、気をつけたいこと
叱られた猫は、排せつそのものを隠れてするようになることがあり、見直しが進みにくくなります。
同じ日にいくつも変えると、猫が戸惑ううえに、どれが合ったのかも分からなくなります。
粗相した場所ににおいが残っていると、同じ場所でくり返しやすいので、見直しと並行してにおいが残らないよう片づけておきます。
見直しで使う砂や容器は、例として次のようなものがあります。
砂の素材ごとの違いは「猫砂の種類は素材で見分ける、鉱物・紙・おから・木・シリカゲルの違いと選ぶ軸」、容器の形の違いは「猫のトイレはオープン型かフード付きか、部屋の広さ・砂の飛び散り・猫の性格で決める二択」の記事にまとめています。
1つ変えたら、数日は様子を見てから次に進みます。
見直しても粗相が減らない、むしろ回数が増えているときは、用品の問題と決めつけず、動物病院で体の様子を見てもらうのが次の一手です。



