室内で暮らす猫の爪は、2〜3週間ほどたつと先が細くとがり、カーペットやカーテン、抱っこした人の服に引っかかるようになります。
切るのは、爪の先の白く透けて見える部分だけです。
猫の爪の根元側にはピンク色に透けて見える血管と神経が通っていて、そこまで刃が入ると血が出て、猫も痛みを感じます。
ピンク色の部分から1〜2mmほど手前で止めておけば、深爪になる心配はぐっと減ります。
そして、切る量よりも大事なのが、猫が嫌がったら途中でやめられることです。
1回で全部の爪を切り終えなくても、困ることはありません。
爪切りの刃の向きや持ち方は製品ごとに違うので、使う前に商品の説明書に目を通しておいてください。

爪切りは3種類、刃の形で選ぶ
猫用の爪切りは、大きく分けてギロチン型・ハサミ型・電動の爪やすりの3種類です。
| 種類 | 切り方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| ギロチン型 | 穴に通して切る | 位置を合わせたい |
| ハサミ型 | はさんで切る | 細い爪・子猫 |
| 電動やすり | 少しずつ削る | 切る音が苦手 |

ギロチン型は、穴に通して切る
爪の先を小さな穴に差し込み、持ち手を握ると刃がすべり出て切れる作りです。
切る位置を目で合わせてから握れるので、どこで切るかを見ながら進めたい人に向いています。
穴の奥まで爪を差し込むと思ったより深く切れてしまうので、穴には爪の先だけを通してください。
刃の切れ味が落ちると、爪を切るというより押しつぶすようになり、先が割れやすくなります。
替え刃が用意されている物だと、切れ味を保ったまま長く使えます。
ハサミ型は、細い爪や子猫に
小さなハサミの刃先に半月形のくぼみがあり、そこに爪をはさんで切る作りです。
手首の角度を変えやすく、子猫の細くやわらかい爪や、少しだけ先を落としたいときに扱いやすい形です。
人の爪切りは平らな爪に合わせた作りなので、丸く筒のような形の猫の爪には刃が合わず、縦に割れたりつぶれたりしやすくなります。
猫の爪には、猫用として売られている爪切りを使うほうが、切り口がきれいにそろいます。
電動の爪やすりは、削って丸める
回転するやすりで、爪の先を少しずつ削って丸める道具です。
一度に大きく切り落とさないので深爪になりにくく、パチンという切る音や感触を嫌がる猫に使われます。
その一方で、モーターの音と振動を怖がる猫もいます。
足先の長い毛がやすりに巻き込まれないよう、毛をよけてから当てます。
1本ごとに時間がかかるので、猫がじっとしていられる時間が短い場合は、切るタイプと使い分けます。
どの型でも、買うときに見ておきたいのは持ち手と刃の作りです。
持ち手に滑り止めがあり、自分の手の大きさで軽く握れる物だと、猫を抱えたまま片手でも刃先がぶれにくくなります。
しまうときに刃を閉じておけるロック付きの物は、引き出しの中で刃先が開かず、手を切る心配が減ります。
左手で切りたい人は、左右どちらの手でも使える作りかも、商品ページで見ておくと安心です。
切る前に、そろえておく物と時間
爪切りを始めてから物を取りに立つと、そのすきに猫は逃げてしまいます。
手の届く所に、次の物を先に置いておきます。
- 猫の爪に合った爪切り
- 爪の中のピンク色が見える、明るい場所
- 血が出たときに押さえる、清潔なガーゼかティッシュ
- あればペット用の止血剤
- 切り終えたときの、小さなごほうびのおやつ
- 暴れたときに体を包める、大きめのタオル
フローリングを歩くときにカチカチと爪の当たる音がする、布に爪が引っかかって抜けにくそうにしている、というのが、伸びてきた合図です。
切る時間は、寝起きや食後など、猫がくつろいで眠そうなときが向いています。
遊んだ直後で興奮しているときや、ごはんの前でそわそわしているときは、うまくいきにくい時間です。
前足は伸びが早く、後ろ足は前足ほど伸びない猫が多いので、前足をこまめに、後ろ足はときどき、と分けて考えます。
子猫の爪は細くて伸びるのが早く、年をとった猫は爪とぎの回数が減って、伸びたまま太く厚くなりやすい傾向があります。
前足の内側、人の親指にあたる場所にある爪は、床にも爪とぎにも当たらないので、ほかの爪より伸びやすい爪です。
この爪は伸びると丸く曲がって肉球に刺さることがあるので、切るたびに必ず見てください。
足先を触られることに、先に慣らしておく
爪切りを嫌がる猫の多くは、切られることより先に、足先をつかまれることを嫌がっています。
いきなり爪切りを持ち出す前に、なでるついでに足先にそっと触れ、すぐ手を離してごほうびをあげる、を何日か続けます。
足先に触れても平気になったら、肉球を軽く押して爪を出すところまで進めます。
爪切りは、猫の見える所に置いておき、近くでパチンと鳴らす音にも慣らしておくと、本番で驚かせずに済みます。

切り方の手順
ひざの上に猫を乗せ、猫の背中を自分のお腹につけるように後ろから抱えると、猫の顔が手元に向かず、落ち着きやすくなります。
二人でできるなら、一人が抱えて頭や頬をなで、もう一人が切ると早く終わります。
足先を軽く持ち、肉球と指の付け根の上を親指と人差し指でそっとはさむように押すと、しまわれていた爪が前に出てきます。
明るい所で爪を横から見て、根元側のピンク色の部分と、先の白く透けた部分の境目を見つけます。
黒っぽい色の爪で中が見えにくいときは、先端の細くとがった所だけを切ります。
ピンク色の部分から1〜2mm手前に刃を当て、迷わず1回で切ります。
少しずつ何度も刃を入れると、爪が割れたり裂けたりしやすくなります。
切り口がささくれていなければ、次の指に移ります。
2〜3本切ったらごほうびをあげて、いったん区切りを入れます。
猫の爪は、前足が左右5本ずつ、後ろ足が左右4本ずつの、合わせて18本です。
一度に切れない猫なら、たとえば次のように数日に分けても、1週間ほどで一巡できます。
| 日 | 切る足 | 本数 |
|---|---|---|
| 1日目 | 右の前足 | 5本 |
| 2〜3日目 | 左の前足 | 5本 |
| 週末 | 後ろ足の左右 | 8本 |
一度に全部の爪を切ろうとしないことが、爪切りを嫌いにさせないいちばんの近道です。
きょうは前足の右、あすは左、という進め方でも、爪が伸びてくる2〜3週間のうちに一巡すれば十分に間に合います。
やめどきは、しっぽと耳で分かる
猫は、嫌になってくるとはっきりした合図を出します。
しっぽを床にパタパタと打ちつける、耳を横や後ろに倒す、体をよじる、低くうなる、足を強く引っこめる。
こうした様子が1つでも出たら、その日の爪切りはそこで終わりです。
残りの爪は、翌日以降に1本ずつでもかまいません。
暴れている猫を力で押さえつけて切り続ける
逃げた猫を追いかけて捕まえ、続きを切る
嫌がったことを叱る
一度こわい思いをすると、爪切りを見ただけで隠れるようになり、次からもっと切りにくくなります。
起きているときに切らせてくれない猫は、眠っている間に足をそっと持ち、起きない範囲で1〜2本だけ切ります。

深爪で血が出たとき
ピンク色の部分まで切ってしまうと、爪の先から血がにじみます。
あわてて猫を離すと、歩いた床に血が点々と付き、猫も興奮してしまいます。
清潔なガーゼやティッシュで、爪の先を数分しっかり押さえる
ペット用の止血剤があれば、説明書どおりに使う
血が止まったら、その日の爪切りは終わりにする
人用の消毒液や塗り薬を、自己判断で使うのは避けてください。
次に切るときは、前回よりひと回り先の位置で止め、白く透けた部分の中でも先のほうだけを切るようにします。
一度深爪をした猫は、爪切りを見ると身構えることがあるので、しばらくは1回に切る本数を減らして、ごほうびの回数を増やします。
10分ほど押さえ続けても血が止まらない、指が腫れてきた、足をかばって歩く、触ると強く痛がるといったときは、動物病院に連絡してください。
自分で切れないときは、任せてよい
どうしても切らせてくれない猫は、珍しくありません。
動物病院やトリミングサロンでは、爪切りだけを頼める所もあります。
通院のついでに切ってもらうときに、抱え方や切る位置をその場で見せてもらうと、家で切るときの参考になります。
年をとった猫で、爪が太く丸まって肉球に刺さりそう、またはすでに刺さっている場合は、家で切ろうとせず動物病院に相談してください。
刺さった爪を無理に抜こうとすると、傷を広げてしまうことがあります。
家で切るのは、猫が落ち着いていられる本数まで。
残りをプロに任せる分け方も、爪を伸ばしっぱなしにしないための、れっきとしたやり方です。



