猫の首輪は、ふだんは外れないことと、どこかに引っかかったときには外れることの、正反対の2つを同時に求められる用品です。
外れにくさだけを求めると、家具のすき間やカーテンに引っかかったときに首が締まる心配が出てきます。
外れやすさだけを求めると、迷子札ごとどこかに落ちてしまいます。
この2つの間でちょうどよい所を探すには、うまくいかなかった場面から逆にたどるのが近道です。

首輪が、いつの間にか外れて落ちている
猫用の首輪の多くには、強い力がかかると外れるバックル(セーフティバックル)が付いています。
猫が首輪を家具やケージの格子に引っかけたとき、首が締まり続けないように、わざと外れる作りです。
首輪が外れて落ちていたのは、バックルが働いたためのこともあれば、ゆるすぎるためのこともあります。
ゆるすぎる首輪は、猫が前脚や後ろ脚で首をかいただけで外れてしまうので、外れる回数が多いときはこちらを先に疑います。
首輪の下に指を入れてみて、2本より多く入るようなら、首まわりに合わせて長さを調整し直すと、外れる回数が落ち着くことがあります。
バックルが外れる強さは製品ごとに違うので、長さを直しても外れ続けるなら、首輪そのものを替える手もあります。
もう一つ気をつけたいのは、首輪が外れると、付けていた迷子札も一緒に落ちることです。
首輪が外れて見つからないときは、迷子札のない状態になっているので、替えの首輪を早めに着けてください。
首輪の下に、前脚が入っていた
首輪がゆるいと、毛づくろいの途中で首輪の下に前脚やあごが入り込み、抜けなくなることがあります。
脇の下に首輪が食い込んだまま歩き続けると、こすれて皮膚が傷つきます。
長さの目安は、首輪と首の間に、指が1〜2本入るくらいです。
首輪ごとに合う首まわりの長さの範囲が決まっているので、買う前に、表示の長さと猫の首まわりを比べておきます。
伸び縮みするゴムの首輪は着けやすい反面、伸びて前脚が入り込みやすいので、長さをこまめに直す必要があります。
引っかかっても外れない作りの首輪は、首が締まる事故につながるおそれがあるので、猫には安全に外れる仕組みの物を選んでください。
首輪と首の間に、指が1〜2本入る
猫が前脚でかいても、首輪があごの下まで下がらない
着ける前に、バックルを手で強く引いて、外れることを試しておく
首まわりの毛が抜けたり、皮膚が赤くなったりしていない
子猫は体が大きくなるのが早く、前は合っていた首輪が、気づくときつくなっていることがよくあります。
子猫のうちは、指を入れて長さを見るのを、こまめな習慣にしておきます。
大人の猫でも、太ったりやせたりで首まわりは変わるので、ときどき首輪の下に指を入れて、きつさを測ります。
着けたとたんに固まる、首をかき続ける
初めて首輪を着けた猫が、その場で固まったり、後ずさりしたり、首をしきりにかいたりするのは珍しくありません。
首のまわりに何かが触れている感覚に、まだ慣れていないためです。
慣らすときは、軽くてやわらかい布製の細い首輪を選び、最初は人が見ている間だけ短い時間着けて、遊びやおやつで気をそらします。
鈴の音が気になって落ち着かない猫もいるので、慣れるまでは鈴を外しておくか、鈴の付いていない首輪から始めると、首輪そのものへの抵抗が小さくなります。
着けている時間を、猫の様子を見ながら少しずつ延ばしていきます。
素材は、布やナイロンは軽く、革は使ううちに首の形になじむ、といった違いがあります。
革やシリコンは水にぬれても乾きやすい物と、ぬれると硬くなる物があるので、手入れの表示も見ておきます。
首輪の幅が広く重い物は、体の小さな猫ほど首への負担が大きく感じられるので、細くて軽い物から試すほうが慣れやすくなります。
首輪の下の毛が抜けている、皮膚が赤い・ただれている、かき壊して傷になっているときは、首輪を外して、続くようなら動物病院に相談してください。

迷子札の連絡先が、読めなくなっていた
迷子札には、金属のプレートに刻印する物、小さな筒の中に紙を入れる物、首輪の布に直接名前や番号を入れる物があります。
刻印の文字も、毎日首輪がこすれるうちに浅くなっていき、筒の中の紙は水にぬれるとにじみます。
付けたまま何年もそのまま、にしていると、いざというときに読めないことがあります。
迷子札に何を書くかは、次のように分けて考えます。
| 書くこと | 書くか |
|---|---|
| 電話番号(携帯など) | 書く |
| 猫の名前 | どちらでも |
| 番地・家族の名前 | 書かなくてよい |
迷子札に書く情報は、見つけた人が連絡できる最小限で足ります。
個人の情報をどこまで書くかは家ごとに考え方がありますが、電話番号1つあれば、見つけた人から連絡をもらうことはできます。
電話番号が変わったら、迷子札もその日に作り直してください。
札が揺れて当たる音を嫌がる猫には、首輪に沿って平らに付けるタイプや、布に番号を入れた首輪が向いています。
マイクロチップがあるから、と首輪をやめていた
マイクロチップは、猫の体に入れておく、番号を記録した小さな器具です。
専用の読み取り機を当てると番号が読め、登録された飼い主の情報にたどり着けます。
マイクロチップは体の中に入れておくので、首輪のように外れて落ちる心配は少ない一方、読み取り機がないと番号を読めません。
猫を見つけた近所の人がその場で連絡先を知れるのは、首輪の迷子札のほうです。
マイクロチップと迷子札は、どちらか1つで足りる物ではなく、役割の違う2つの手がかりです。
GPSで居場所を追う首輪は、迷子札とは別の領域の道具です。
玄関や網戸から、外に出てしまった
完全室内で暮らす猫が外に出てしまうきっかけは、人が出入りする一瞬や、閉めたつもりの網戸であることが少なくありません。
首輪と迷子札は外に出たあとの備えで、出さないための用品はまた別にそろえます。
玄関は、扉の手前にもう1枚
玄関の扉を開けた瞬間に、足もとをすり抜けて外に出る猫がいます。
玄関の手前の廊下に、扉付きの柵(ゲート)を置くと、玄関の扉と柵の2枚で、すり抜けを受け止められます。
猫は高く跳べるので、柵を選ぶときは商品の高さの表示を見て、家の猫が跳び越えられないかを考え、跳ぶのが得意な猫なら天井近くまである物にします。
賃貸の部屋なら、壁に穴を開けずに床と天井で支える突っ張り式が使いやすい形ですが、取り付けで壁や天井に跡が残るかは、管理規約や契約で調べておく必要があります。

網戸は、猫の力でも開く
網戸は軽いので、猫が前脚で網を押したり、すき間に爪をかけて横に引いたりするだけで開くことがあります。
網戸の枠に取り付けて、勝手に動かないようにするストッパー(網戸用のロック)を付けておくと、開けたまま気づかない、ということが減ります。
換気のために窓を少しだけ開けておきたいときは、窓が一定の幅以上は開かないように固定する窓用のストッパーを使うと、猫が通れないすき間にとどめておけます。
網そのものを爪で破られるなら、破れにくいペット用の網に張り替える方法もありますが、賃貸の部屋では張り替えてよいかを先に確認しておきます。
ベランダは、出さないことを前提に
ベランダは、手すりからの落下や、隣の家への移動が起きやすい場所です。
一度ベランダに出る楽しさを覚えると、窓が開くたびに出たがるようになるので、最初から出さないことを前提にしておくほうが、守りやすくなります。
それでも外に出てしまったら
外に出た猫は、遠くへ行かず、家のまわりの物陰で身をひそめていることがあります。
気づいたら、次のことをできるだけ早く進めます。
- 家のまわりの物陰、車の下、植え込みなどを、名前を呼びながら静かに探す
- 地域の警察署、保健所、動物愛護センターに、迷い猫として届け出る
- 猫の写真と特徴、連絡先を書いたチラシを用意して、近所に知らせる
- マイクロチップを入れている場合は、登録の情報が今の連絡先になっているかを見ておく
家のまわりを探すのは、人や車の少ない夜や早朝の静かな時間のほうが、物陰の猫が鳴き声に応えたり、姿を見せたりしやすくなります。
首輪と迷子札は、こうしたときに、見つけてくれた人と家をつなぐ手がかりになります。




