キャットフードを選ぶとき、最初に見たいのは袋の表の写真ではなく、裏にある「目的」の欄です。
そこには「総合栄養食」「間食」「一般食」といった言葉で、そのフードが毎日の主食になるのか、おやつなのか、主食に添えるおかずなのかが書かれています。
目的・成長段階・水分の3つが読めれば、売り場に何百種類並んでいても、候補はかなり絞れます。
ここでは袋に書かれた言葉を、選ぶための言葉に置き換えて整理します。
銘柄の良し悪しは比べず、最後は製品の表示が最優先という前提で読んでください。

袋の「目的」の欄で、主食になるかが分かる
ペットフードの表示のルールでは、袋にそのフードの目的を書くことになっています。
猫用でよく見かけるのは、次の4つです。
総合栄養食は、水と一緒に毎日の主食にできる
総合栄養食は、毎日の主な食事として与えるためのフードです。
総合栄養食とは、そのフードと水だけで、袋に書かれた成長段階の猫の健康を保てるように、栄養のバランスを整えたフードのことです。
つまり、総合栄養食と新鮮な水があれば、ほかに何かを足さなくても毎日の食事として成り立つ作りになっています。
総合栄養食には、どの成長段階向けか(子猫用、成猫用など)も必ず書かれています。
主食を選ぶときは、まずこの言葉が袋にあるかどうかを見るのが出発点です。
一般食・おかずタイプは、総合栄養食と組み合わせる
「一般食」「副食」「おかずタイプ」と書かれたフードは、ルールの上では「その他の目的食」にまとめられています。
カロリーを足したり、食いつきを良くしたり、特定の栄養を補ったりするためのフードです。
これだけでは必要な栄養がそろわないので、主食として単独で与え続けるものではありません。
袋には「一般食(総合栄養食と与えてください)」のように、何と一緒に、どれくらい与えるかが書かれています。
パウチや缶のウェットフードに多い表示なので、ウェットを買うときほど目的の欄を見るのが大事です。
間食は、おやつやごほうび
間食は、おやつ、しつけやお手入れのごほうび、猫とのコミュニケーションのために与えるフードです。
内容量は「g」だけでなく、「本」「個」で書いてよいことになっているので、ペースト状のおやつの袋では「14g×4本」のような書き方をよく見かけます。
おやつの量と主食との線引きは、「ちゅーるなど猫のおやつQ&A、与える量・頻度・主食との線引き」で問いごとに答えています。
療法食は、自分で選ぶフードではない
療法食は、病気や体の状態に合わせて栄養を調整したフードで、獣医師の指導のもとで与えることが前提です。
袋には「必ず獣医師の指導の下に給与してください」のような注意が書かれています。
売り場や通販で見かけても、自分の判断で選んだり、切り替えたりするものではありません。
持病やアレルギーがある猫の食事は、かかりつけの動物病院に相談してください。
4つの目的を並べると、次のようになります。
| 目的 | 主食にできるか | 袋で見かける言葉 |
|---|---|---|
| 総合栄養食 | できる | 総合栄養食、成猫用など |
| その他の目的食 | 単独では不可 | 一般食、副食、おかず |
| 間食 | 主食にしない | おやつ、ごほうび |
| 療法食 | 獣医の指示で | 獣医師の指導の下に |
年齢は「成長段階」の欄で見る
総合栄養食には、どの年齢の猫に向けて作ったかが「成長段階」として書かれています。
袋で見かける主な書き方は、次のとおりです。
- 幼猫期・成長期・グロース: 子猫向け
- 成猫期・維持期・メンテナンス: 大人の猫向け
- 妊娠期・授乳期: 子どもを産む前後の母猫向け
- 全成長段階・オールステージ: 子猫から大人まで使える
子猫には、幼猫期・成長期と書かれた物か、全成長段階の物を選びます。
成長期の子猫は体が小さいわりに多くの栄養を必要とするので、成猫用だけを与え続けるのは避けたいところです。
「高齢猫用」「7歳以上」「11歳以上」などの書き方は、区切りの年齢が製品ごとに違います。
年齢だけで決めず、食べやすさや今の食べる量も合わせて見て、迷うときは健康診断のついでに獣医に聞くと安心です。
子猫用から成猫用へ移るときの進め方は、「猫のフードを切り替える手順、食べない・飽きたときの小袋の試し方と受診の目安」が順を追って書いてあります。
ドライ・ウェット・セミモイストは、水分の量で分かれる
フードの形の違いは、ほとんどが水分の量の違いです。
| 種類 | 水分の目安 | 開けたあと |
|---|---|---|
| ドライ | 約10%以下 | 袋の口を閉じて保管 |
| セミモイスト | 約25〜35% | 袋の表示に従う |
| ウェット | 7割を超える物が多い | 早めに食べきる |
ドライは、置いておけて量りやすい
ドライフードは、いわゆるカリカリです。
水分が少ないので、器に入れておいても傷みにくく、留守の間の食事にも使いやすい形です。
1粒ずつ量れるので、キッチンスケールで1日の量を量りやすいのも利点です。
粒の大きさや形も製品ごとに違い、子猫や歯の弱ってきた猫は、小粒や薄い形のほうが食べやすいことがあります。
一方で、開けた袋を湿気の多い場所に置くと風味が落ちるので、袋の口をしっかり閉じて、涼しく乾いた場所にしまいます。

ウェットは、食事から水分がとれる
ウェットフードは、パウチや缶に入ったやわらかいフードです。
水分が多いので、食事と一緒に水分をとれること、香りが立ちやすく食いつきの良い猫が多いことが特徴です。
ただし、器に出したまま長く置くと傷みやすいので、食べ残しは早めに片づけます。
缶や大きめのパウチを1回で使いきれないときは、開けたあとの保存方法を袋の表示で見て、ふたをして冷蔵し、早めに使いきります。
冷蔵庫から出してすぐの冷たいウェットは、においが立たず食べない猫もいるので、少し室温に置いてから出すと食べやすくなります。
先ほどの目的の欄で見たように、ウェットには総合栄養食の物と一般食の物が混ざって売られています。
主食にするつもりなら、総合栄養食と書かれた物を選びます。
セミモイストは、その中間
セミモイストやソフトドライは、ドライよりしっとりして、ウェットほど水っぽくないフードです。
やわらかい粒を好む猫や、硬い粒を食べにくそうにしている猫で選ばれます。
開けたあとの保存のしかたは製品によって違うので、袋の表示に合わせてください。
ドライとウェットを、どう使い分けるか
どちらか一方に決める必要はありません。
家の暮らし方と猫の様子から、どちらを主にするかを決めると選びやすくなります。
- 日中の留守が長い家: 置いておけるドライを主にすると回しやすい
- 水をあまり飲まない猫: ウェットを取り入れると、食事から水分を足せる
- 食べる量が少ない猫: 香りの立つウェットで食いつきが変わることがある
- 保管場所が限られる家: ウェットは1食ずつ包装されていてかさばりやすい
両方を合わせて使うときに気をつけたいのが、量の足し算です。
ドライを袋の目安どおりに入れたうえでウェットを足すと、1日の量が多くなります。
たとえばドライを目安の半分にしたら、ウェットも目安の半分にする、というように、それぞれの袋の目安を割合で分け合う考え方が基本です。
1日の量が決まったら、それを何回に分けるかも決めておきます。
朝と夜の2回に分ける家が多いですが、ウェットを夜だけにする、ドライを朝と昼に分けて置く、というように家にいる時間に合わせて組み立ててかまいません。
体重の変化が気になるときや、どのくらいの割合にするか迷うときは、獣医に相談すると具体的な量を決めやすくなります。
原材料・成分・原産国の欄で分かること、分からないこと
袋の裏には、目的のほかにも、法律や表示のルールで決められた項目が並んでいます。
- 名称(猫用であることが分かる名前)
- 賞味期限
- 原材料名(添加物も含めて、原則すべて)
- 原産国名
- 事業者の名前と住所
- 目的・内容量・給与方法・成分
原材料名の欄では、チキン・まぐろ・かつおなどの肉や魚の名前、穀類、ビタミン・ミネラル類、添加物が並びます。
猫が特定の魚や肉を好む・嫌うと分かっているなら、ここで主な原材料を見ると、味の傾向の見当がつきます。
成分の欄には、たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分が「◯%以上」「◯%以下」の形で書かれています。
同じドライ同士なら、この数字でたんぱく質や脂質の多い・少ないを比べることはできます。
給与方法の欄には、体重ごとの1日の量の目安が表で載っていることが多く、毎日の量はまずこの表から決めます。
一方で、袋の表示を読んでも決められないこともあります。
「無添加」「国産」「グレインフリー」「高たんぱく」のどれが猫にとって良いか
そのフードが自分の猫の体質や好みに合うかどうか
持病・アレルギー・体重管理が必要な猫に、どのフードを選ぶか
「無添加」や「グレインフリー」は、何を使っていないかを示す言葉で、それだけで良し悪しが決まるものではありません。
合うかどうかは、食べたあとの様子を見て判断することになります。
持病やアレルギー、体重のことが気になる場合は、袋の言葉で選ばず、動物病院で相談してください。
次にフードを買うときは、目的の欄、成長段階、給与量の表の3か所だけ、袋を裏返して見てみてください。



