「フード付きのトイレにすれば、部屋がにおわなくなる?」
「オープン型のほうが猫は使いやすい?」
猫のトイレを買うとき、多くの人が最初に迷うのがこの二択です。
答えはどちらか一方ではなく、部屋の広さ・砂の飛び散り・猫の性格の3つで、向くほうが変わります。
屋根の有無だけの違いに見えて、においのこもり方、掃除の手間、置ける場所まで変わります。
大きさや入口の高さ、使える砂は製品ごとに違うので、買う前には商品の表示と説明書で寸法と使い方を見てください。

違いは屋根があるかどうか、でも暮らしへの効き方は大きい
オープン型は、上が開いた箱
オープン型は、屋根のない箱に砂を入れる、いちばん基本の形です。
猫が出入りしやすく、中の様子がひと目で分かるので、汚れにすぐ気づけます。
上からスコップを入れられるため、毎日の片づけが速いのも強みです。
その代わり、砂をかく勢いで周りに砂が飛びやすく、においも部屋に広がりやすい形です。
フード付きは、屋根と入口のある箱
フード付きは、箱に屋根をかぶせ、前に入口を付けた形です。
ドーム型、ハウス型とも呼ばれます。
屋根と壁が砂の飛び散りを受け止め、においが部屋に広がるのを和らげます。
猫の姿が外から見えにくいので、落ち着いて用を足せると感じる猫もいます。
一方で、中ににおいがこもりやすく、片づけのたびに屋根を外したり、入口からのぞき込んだりする手間が増えます。
その間の形もある
二択のほかに、間をとった形もあります。
上から入るタイプは、天井に穴が開いていて、猫は上から入って上から出ます。
出るときに足の砂がふたの上で落ちるので、飛び散りと砂の持ち出しを減らしたい家で選ばれます。
ただし、ジャンプして入る形なので、子猫や足腰が弱った猫には向きません。
もう一つは、オープン型の縁を高くしたり、半分だけカバーを付けたりした形です。
オープン型の使いやすさを残しつつ、飛び散りだけ抑えたいときの選択肢になります。

においと飛び散りは、どちらが有利か
よく比べられる点を、オープン型とフード付きで並べると次のようになります。
| 比べる点 | オープン型 | フード付き |
|---|---|---|
| 部屋へのにおい | 広がりやすい | 広がりにくい |
| 中のにおい | こもりにくい | こもりやすい |
| 砂の飛び散り | 多め | 少なめ |
| 片づけの手間 | 少ない | やや多い |
| 置く場所 | 高さを選ばない | 高さが要る |
| 汚れの気づきやすさ | すぐ分かる | のぞけば分かる |
においの差は、「人が感じるにおい」と「猫が感じるにおい」で逆になるところがポイントです。
フード付きは部屋ににおいが出にくい反面、屋根の中は猫にとってにおいが濃い場所になります。
片づけの回数が減ると、中が汚れたままになり、猫が入るのを嫌がることもあります。
フード付きを選ぶなら、屋根があっても片づけの回数はオープン型と同じにするつもりでいると失敗しにくくなります。
飛び散りは、フード付きのほうが少なくなりますが、ゼロにはなりません。
入口から足についた砂が出てくるので、どちらの形でもトイレの前にマットを敷く家は多くあります。
片づけの手間は、毎日と月に一度で分けて考える
毎日の片づけは、固まった砂をスコップで取り除く作業です。
オープン型は上からそのままスコップを入れられますが、フード付きは入口から手を入れるか、屋根を持ち上げることになります。
屋根がワンタッチで外せるか、留め具を何か所も外す作りかで、毎日の手間はかなり変わります。
月に一度ほどの砂の総入れ替えや丸洗いでは、本体の大きさが効いてきます。
フード付きは屋根と本体の2つに分かれるぶん、部品は増えますが、1つずつは洗いやすい大きさになる製品もあります。
大きなオープン型は、浴室の洗い場に入るかどうかを、置き場所と一緒に測っておくと困りません。
猫の性格と体格で決まること
隠れたい猫と、見張りたい猫
猫の中には、狭くて囲まれた場所を好む猫と、周りが見える場所を好む猫がいます。
用を足している間は無防備になるので、周りを見渡せないと落ち着かない猫は、フード付きを嫌がることがあります。
反対に、物音に敏感で、人の気配がするとトイレを途中でやめてしまう猫には、囲まれたフード付きが合うこともあります。
どちらの性格かは、ふだん寝ている場所が手がかりになります。
箱や棚の奥にもぐって寝るなら囲まれた場所が好き、窓辺や高い所で寝るなら見渡せる場所が好き、と見当をつけられます。
大柄な猫とシニアは、入口と中の広さを見る
体の大きな猫は、フード付きの中で向きを変えにくいことがあります。
中で体を回せないと、お尻が入口からはみ出して、外におしっこがかかることもあります。
トイレの大きさは、しっぽを除いた体の長さの1.5倍ほどが、よく言われる目安です。
足腰が弱ってきた猫には、入口の段差が低い物が向きます。
子猫を迎えたばかりの家も、入口の段差には気をつけたいところです。
子猫のうちは小さく低いトイレが使いやすく、成長したら大きいトイレに替える前提で選ぶと、無理に大きな物を最初から買わずに済みます。
フード付きは入口の縁が高めの製品もあるので、入口の高さの寸法を見ておくと安心です。
2匹以上いる家は、出入口の数も見る
猫が2匹以上いる家では、トイレから出てきたところを別の猫に待ち伏せされることがあります。
フード付きは入口が1つなので、中にいる猫から見ると逃げ道がふさがれた形になります。
猫どうしの仲がよくない、追いかけ合いが多いといった家では、オープン型を混ぜておくと、猫が自分で使いやすいほうを選べます。
頭数とトイレの数の考え方は、「子猫・シニア猫・多頭・留守がちで変える、猫トイレの大きさ・数・置き場所」の記事で場面ごとにまとめています。
部屋の広さと置き場所で決まること
ワンルームやリビングに置くなら
人が過ごす部屋に置く場合は、においと見た目が気になりやすくなります。
ワンルームのように、寝る場所とトイレの距離が近い部屋では、フード付きのほうが、においや砂の散らかりが目に入りにくくなります。
ただし、人の出入りが多いリビングの真ん中は、どちらの形でも落ち着きにくい場所です。
部屋の角や家具の陰など、通り道から外れた場所に置けるかどうかを先に考えます。
洗面所・廊下・クローゼットの横に置くなら
洗面所や廊下は、においがこもっても人が長くいない場所です。
こうした場所なら、片づけやすいオープン型でも、においの悩みは出にくくなります。
気をつけたいのは高さと幅です。
フード付きは屋根のぶん高さが要るので、洗面台の下や棚の下に入れたい場合は、置きたい場所の高さを先に測る必要があります。

洗濯機のすぐ横は、音や振動で猫が驚くことがあるので、少し離せるなら離しておきます。
向く家をまとめると
両方に当てはまる場合は、フード(屋根)を取り外せる製品を選ぶ方法があります。
最初は屋根を外したオープン型として使い、猫が慣れてから屋根を付けると、猫の反応を見ながら形を変えられます。
買う前に測っておきたい3か所
置く場所の幅と奥行き(トイレの外寸に、前のマットのぶんを足す)
置く場所の高さ(フード付きを棚の下や洗面台の下に入れる場合)
猫の体の長さ(しっぽを除いて、トイレの中の広さと比べる)
外寸だけを見て買うと、中の広さが思ったより狭いことがあります。
フード付きは壁の厚みのぶん、外から見た大きさより中が小さくなります。
商品ページで外寸と内寸の両方が書かれているかを見ておくと、届いてから困ることが減ります。
形を変えても入らないとき
新しいトイレに替えたあと、猫が使わなくなることもあります。
形への好みが原因のこともありますが、砂を同時に替えた、置き場所を動かした、においが残っているなど、形以外の理由が重なっていることも少なくありません。
トイレ以外の場所でするようになったときは、何度もトイレに行くのに出ない、血が混じるといった様子がないか、先に体のサインを見てください。
そうしたサインがあれば、用品の見直しより動物病院が先です。
用品のどこから見直すかは、「猫がトイレ以外で粗相するときの見直し順、砂・容器・置き場所・数を確かめる分岐」の記事で順番に並べています。
すのこと吸収シートを使う手動のシステムトイレも、においを抑えたい家の選択肢ですが、使う砂が固まらないタイプに変わる点は覚えておきたいところです。
屋根は、取り外せる製品なら後から付けたり外したりできます。
でも、置き場所の広さは後から増やせないので、迷ったら「どこに置くか」を先に決めてから形を選んでください。



